CTOの学習帳

日々学んでいること、考え方などの思考整理

両利きのCTO

自己紹介

株式会社奇兵隊というところでCTOをやっておりました佐藤です。

今年いっぱいで退職するので実質ex-CTOになるわけですが、現在別途事業を仕込んでおります。もしエンジニア評価やエンジニア組織構築などでお困りの方がいればお声がけください。

CTO協会ではCommunity WGというワーキンググループでContributorとして活動しております。 Communityを拡大するためのチームでPMとして動いてもいます。

よろしくお願いします!

概要

両利きの経営のように、CTOとして動いていくにあたって知の深化と探索が非常に大事だなと思っており、今回はこのタイトルにしました。

ご存知のように両利きの経営の深化と探索は、既存事業を成長させながら新事業を創り出すための経営論なわけですが、今回は知の深化と探索がCTOとして事業を伸ばしていくにあたり必要だけど難しいなと感じていたのでその辺りを書ければと思います。

定義はこんな感じです。

知の深化とは

自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深掘りし、磨き込んでいく行為

知の探索とは

自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする行為

深化の限界

初期のステージでは事業を軌道にのせるため、PMFするために知の深化が必要です。

常に事業のことを考え、それがビジネスとして市場にフィットするのか、どうすればユーザーに受け入れてもらえるのかを考えなければなりません。

テクノロジー部分を支えながら、社内の優秀なエンジニアや経営層とディスカッションして事業を育てていく必要があります。

つまり、CTOとして初めはユーザーインタビューやリサーチ、UXの磨き込み、アーキテクチャの設計、コーディングなど色々な役割をこなしながら事業に集中しなければならないのですね。

これはいわゆる知の深化で、事業やそれに関連する技術に対してとことん深堀して磨き込んでいくということにが必要になってきます。

探索の必要性

ただ、深化だけでは必ず壁にぶち当たります。

  • 組織が大きくなってマネジメントがうまくまわらない
  • エンジニアの評価ってどうすればいいの?
  • 技術的負債が、、どのタイミングでリファクタ、リプレイスすべきだろう

よく聞く課題ではないでしょうか。

このような課題が浮上し、自身・自社の知識では対応しきれないようになってきます。

そこで必要なのが知の探索です。

おそらく課題にぶつかった時に、無意識のうちにやっていると思います。

  • ネットで情報収集
  • Twitter有識者をフォローしてエッセンスを得る
  • 勉強会に参加して知見を得る
  • 講義に参加して技術や経営を学ぶ
  • 技術顧問をつける

これらはすべて素晴らしい方法なのですが、より良い方法が一つあります。

それは、CTOが集まるコミュニティに参加して知見を相互共有することです。

ネットで情報は手に入りますが、リアルとデジタルでは情報の質が異なります。 また、その情報は本当に自分たちの事業、企業に機能するのか?を考慮しなければなりません。

CTOが何をやるべきかについてはフェーズや業界、スキルスタックなどによってかなり変わってきます。静的な情報だけではそこを汲み取って判断するのが難しいです。

その中で僕が最も有効だと思っているのは、他の偉大なCTOに自社の環境や課題を共有しながら、エッセンスを得ることです。

自分の状況をわかってもらえますし、そのフェーズだとまだリプレイスすべきじゃないかもね。とか的確なアドバイスを得ることもできます。

近い環境のCTOと課題をぶつけ合うのも最高です。

探索で生じる3つのメリット

①CTO同士で話すと視野が拡がる

以下のようにさまざまな角度から生の知見を得ることができます。

  • Enabling teamを取り入れた開発体制の構築
  • マイクロサービス、モジュラモノリスの採用
  • Notion利用による情報の流動性と検索性の担保

②他のCTOの知見から視座があがる

自分とは違う見方をしているケースが多く、自身の成長に寄与します。

  • ファイナンスの知識をどれくらい持つ必要があるか
  • 経営への関わり方
  • 経営戦略と技術戦略をどのように融合させていくか
  • CEOとのコミュニケーション

③社外でホッとする環境がつくれる → これ一番大事。

  • 同じように苦しんでいる/きたCTOが身近にいると超絶安心する
  • それわかる!と言ってもらえるとかなり盛り上がる
  • びっくりするほどみんな優しく、懐が深い

どうやって接点もつの?

僕も初めはCTOやそれに準ずる方の知り合いがおらず、CTOとして何をしていいのかもわからなかったので非常に苦労しました。

エンジニアやEMの知り合いは少しいましたが、やはり視ている部分が少し違うので盛り上がるパートが違うような感じでした。

ではどうしたか?

  • CTOの会合、コミュニティに思い切って参加した
  • CTO協会に個人会員として参加した
  • CTO協会でプロボノとして積極的に運営に関わった
  • CTO協会でPMとしてコミュニティ拡大を頑張る → いまここ

深化はめっちゃ頑張ってるけど、探索するの難しいなぁ、みんなどうしてるんだろうなぁと悩んでいる方がいれば、まずはCTO協会でつながりを見つけてほしいなと思います。

知らないことや考えてなかったことがめちゃくちゃあんな。。。と一瞬は落ち込むこともあるかもしれませんが、それが自身や事業の成長には一番必要なことなのではないかと今では思っています。

知的コンバットしましょう!

Think Big, Start Small / 大きく考え、小さく一歩目を踏み出す

非常に良いValueですね。

是非「やってみなはれ」の精神で、CTO協会に参加して「CTOって何したらいいんや!」とかを一緒に語りあいましょう。

いや、なんか提供できることもないし尻込みするな。。って思った方。

そんなことはないです、僕も最初はそう思いました。

そんな時はこのValue

Give First / あなたの当たり前は誰かの学び

あなたの当たり前は、誰かの知の探索に必ず役に立ちます。

Always Day One / 常に初日の気持ちでいる

これを読んでいただいた方が、知の探索に一歩踏み出すDay oneになるといいなと思います!

以上はCTO協会が大事にしているValueの一部です。

自己変革を起こすことで、自分と組織にイノベーションを起こしていきましょう!