CTOの学習帳

日々学んでいること、考え方などの思考整理

東工大MOT講座の裏側: 学びの日々を振り返る

東京工業大学で実施されているエッセンシャルMOT(技術経営)のコースが先日ついに終わりました。 この講座では、技術者から経営者への視点の転換が求められ、多くの新しい知識やスキルを身に付けることができました。 この記事からMOTに興味を持ったり、講座受講へ踏み出す一歩を後押しできれば幸いです。

きっかけ

現在はIT関連の変革コンサル事業のCTOとして働いているのですが、ビジネスや経営の知識にはまだまだ疎く、 新しい視点や考え方を学ぶ必要性を感じていました。 そこで、東工大MOT講座に参加し、経営に関する知識やスキルを習得することで、より知識探索することができると考えました。

しかし、半年間の講座は果たして十分なのか? そんな疑問を抱えつつ、講座を受講しはじめました。

何を身につけられたか?

東工大MOT講座では、経営戦略、マーケティング、組織運営、イノベーションマネジメントなどの幅広いトピックに触れ、 半年間で技術経営の基礎を学び習得することができました。 そして、現実のビジネスシーンで活用できる実践的な知識やケーススタディに取り組むことで、理論だけでなく実践力も身につけることができたのが非常に大きなポイントだったかと思います。

これらの知識を活用することで、技術者としてのスキルだけでなく、経営者としての視点も持ち合わせることができるようになり、 この経験を通じて、技術と経営を統合したアプローチで、より効果的な意思決定や問題解決ができることがわかりました。

学んだこと

いったいどんなことが学べるの?というところですが、具体的には主に以下のような内容を毎週水曜日の19-21時の講座で学習します。

  1. 経営戦略: 経営戦略の授業では、企業が競争優位を築くための戦略立案や、事業ポートフォリオの最適化、事業計画の策定などを学びました。 さらに、SWOT分析やPEST分析、ポーターの競争戦略などの分析手法を用いて、自社の強みや弱みを明確にし、市場環境に適した戦略を立てる方法を習得することができました。

  2. マーケティング: マーケティングの授業では、顧客ニーズの把握、市場分析、プロダクト開発、ブランディング戦略など、マーケティング全般に関する知識を習得しました。また、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング(STP)の考え方や、4P(プロダクト、プライス、プロモーション、プレイス)のマーケティングミックスを活用して、効果的なマーケティング戦略を策定する方法を学びました。

  3. 組織運営: 組織運営の授業では、効率的な組織運営やリーダーシップ、チームビルディングなどの人材マネジメントに関するスキルを学びました。組織文化やコミュニケーションスタイル、ダイバーシティマネジメントに関する知識も習得し、多様なメンバーを持つ組織で円滑に業務を進める方法を学びました。 一番興味があったのはこの分野で、「学習する組織」や「ファシリテーションの変容」などの翻訳で有用な小田先生の授業を直接受けることができたのは自分の中で理解を深める最も価値ある機会だったかと思います。

  4. イノベーションマネジメント: イノベーションマネジメントの授業では、ビジネスモデルのイノベーションや、技術革新を経営戦略に組み込む方法を習得しました。デザイン思考やリーンスタートアップの手法を学び、新しいアイデアやサービスを迅速に市場に投入するための方法をマスターしました。

  5. ネットワーキング: 講座を通じて、同じ目標を持つ仲間や、さまざまな業界の専門家と出会い、人脈を広げることができました。また、授業中の多くのグループワークやディスカッションを通じて、異なるバックグラウンドを持つ人々と協力して問題解決する能力を鍛えることができました。 全く別の業界の人とお話しする機会は早々ないので、非常に良い経験になりました。

しんどかったこと

もちろん良い面ばかりではなく辛い部分もありました

  • 時間管理: 講座は半年間という期間で行われており、仕事やプライベートとの両立が求められました。講座の準備や課題に取り組む時間を見つけるのが大変でした。

  • 異なるバックグラウンドとのコミュニケーション: 講座では、異なる専門分野や業界からの参加者が多く、コミュニケーションや意見のすり合わせに苦労しました。また、専門用語や業界知識に関するギャップを埋める必要がありました。

  • 新しい知識やスキルの習得: 講座では、自分の専門分野以外の新しい知識やスキルを習得することが求められました。短期間で多くの情報を吸収し、適用することが困難でした。

まとめ

普段は読書からしか体系的に学ぶことはきなかったわけですが、 これらの知識と経験を通じて、技術者だけでなく、経営者としての視点も併せ持つことができるようになり、さまざまな問題に対処できそうだと感じています。

半年間のMOT(技術経営)講座で学んだことは、私のキャリアにとって非常に価値のあるものでした。 これからも、技術と経営の知識を活かし、より多くの成果を生み出せるよう努力していきたいと思います。 これらの経験が、私と同じように技術と経営を学びたいと思う皆さんの参考になれば幸いです。